第三章 幾重の導き
紅い葡萄の酒を 闇と共に飲み干せど 酔ひもせず
酌み交わされし杯も 台に置き去り 乱るる花の匂ひに導かれ
わが身を開かれ その身を案ずるも ゆらゆらゆら
うつろうばかりの秘めたる胸の内 それを知るや知らずや まさぐり探しつつ
その瞼閉じ わが身に問う 温もり感ずるのか と されど やさしきは手の温もり
声なき叫びよ 焦がれし者を呼ぶ魂の叫びよ 届かんか
第二章 春の息吹
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第四章 幻影への想ひ