第四章 流されて行く心
 
どこまで… どこまで… どこまで連れて歩けばいいの。
この心。
 
肌が離れたあとの背中は、違う女になった気がする。
 
汗ばんだ肌が休むことがいやだった。
乱れた髪を気にすることも忘れていた。
 
震える身体も抑えられず。
 
震えながら、すがりながら。 流されて行く、小枝のように。
 
流されて行く自分の心を裁こうとする自分が肌に忍び込む。
 
でも、傷つくのは怖い。
 
ならば時(とき)のせいにすればいい。
 
少し離れて身体と話せば心暖かくなるはずだから。
 
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