第六章 妙味のある技
 
あれだけ汗をかき、くたくたになった身体だったはずが、まだ余力はあった。
前半では考えられないような、底なしで貪欲な欲望がとりついたかのように
男性にからみつく。 離さないでとばかりに。
どこにそんな力が残っていたのか、頭を押さえ、足をからませ離そうとしない。
己の望む快楽が途切れることを恐れるかのように
相手の身体を密着させ、より深く、より奥へと誘う。
そして、自ら体位も変え招き入れやすいように道筋を開く。
のけぞる身体は、まるで別人のようだった。

  
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