第二章 ひたすら
 
かろうじて自由になる手、その手で握り締めていた。
 
欲望に素直な身体はもうこんなになっている。
 
もう身体中がうずうずして我慢できないかのようだった。
 
無言のおねだりだったような気がする。
 
足の縄が解かれた。
 
吐息が嗚咽に変わる。
 
手の縄もほどかれた。
 
欲望の赴くままに。
 
存分に。
 
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